2016年7月4日月曜日

【学生記事】楽ちん&オシャレ? ビルケンとGemütlichkeit

 Hallo, zusammen! 最近暑いけどみなさんお元気ですか?今回はそんな暑さにもちょっと関係あるかもしれない(?)オシャレがテーマです。ドイツとオシャレ…あまり結びつかないイメージかもしれませんが(ちょっと失礼?)、時代が変わればオシャレも変わる。そんな中、今求められているものとはなんなのか?という切り口で、今回は記事を書いていきたいと思います。
 
 まずはタイトルにあるドイツ語の解説からいきましょう。
 Gemütlichkeit...とはドイツ語で「心地よさ」という意味です。ゲミュートリッヒカイト。「なんだか強そうなドイツ語ランキング」があったら上位に食い込みそうなこの言葉ですが(1位はおなじみ「クーゲルシュライバー」かもしれません)、gemütlich…心地よい、という意味の形容詞を名詞化したものです。

 そしてこの“Gemütlichkeit“という概念は、ドイツ人の生活に強く根付いています。たとえばドイツに興味のある人なら一度は聞いたことのあるドイツ人の長期休暇、これがまさしく一例です。なんとドイツ人の平均有給休暇日数は30日!しかもたいていの人はこれを夏の1ヶ月でまとめて取り、バカンスに出かけます。文字通りの夏休みですね(実はそのような環境は「休暇の最低日数に関する法律」によって守られているので、またここもドイツらしいというか)。

 すなわち、学生であれ社会人であれ、のびのびと暮らしたい!体にも心にも快適な生活がしたい!という考えが、ドイツ人の暮らしを作っているというわけです。


 さて、それがオシャレとどう結びつくのか、ということで、ここで登場するのがタイトルにある「ビルケン」です。ファッションに興味のある方なら知っているのではないでしょうか?ビルケン、正式名称Birkenstockは、ドイツの靴メーカーで、最近流行りのフラットサンダル(その名の通り、ヒールのないスポーツサンダルみたいなもの)のパイオニアというような存在です。






                 ↑参考写真です。公式カタログより。

 写真の足元に注目していただくと、確かに最近こういうサンダルを履いている人が多いような気がしますね。


 さてこのBirkenstock、普遍的なデザインもさることながら、一番のこだわりは外側からは見えないところにあるのです。それが「フットベッド」。つまり足の裏が触れる面のことです。


 


 なんとなく、人間の足型に合わせた作りになっていますよね。

 このフットベッド、ドイツ語だとFußbettですが、意味はそのまま足のベッド。これが開発されたのはなんと1900年代で、100年以上の歴史があります。さらにルーツ自体は1774年にSchuhmeister(靴職人)の称号を獲得したJohann Adam Birkenstock というドイツ人にまでさかのぼるのだとか!

 木製や金属製のフットベットが主流だった当時、より足のこと、履きやすさを考えたものを作ろう!という思いから生まれたものらしいです。


 ここから見えてくるのがGemütlichkeit、心地よさなんじゃないかなと思います。フットベッドという言葉を見ても、靴を履いている時でもベッドにいるかのように心地よく、というような意味合いも含まれているのではないか、と思ってしまいますね。


 ただこのBirkenstock、今でこそ老若男女問わず、オシャレなアイテムとして認知されていますが、数年前まではただの「健康サンダル」というような位置付けだったみたいです。というのも去年の今頃、友達のドイツ人に「今日本ではビルケンが流行っているよ」と言った時、その友達が返した言葉が、

「えっ、おじいちゃんの靴だよ?」だったんですね(流暢な日本語で言われました)。

 さすがにおじいちゃん限定ではないと思いますが、ブームを巻き起こす前のビルケンは、おそらく「オシャレより履きやすさ重視の人が選ぶ楽ちんなサンダル」というような位置付けだったのではないのでしょうか。


 となると、なぜビルケンのようなサンダルが今流行っているのか?その答えはきっと、「オシャレ」というありかた自体が変わってきているから、というような要素があるのではないでしょうか。

 「オシャレは我慢」、ひと昔前まではよく耳にする言葉でしたが、最近見かけません。その原因も、暑いのも寒いのも痛いのも我慢をして、綺麗に見せる…というような価値観が、だんだん薄れてきているからかもしれません。

 オシャレで、かつ心地よく。または「心地よい」ということがオシャレなのだ、という感覚がどんどん一般的になっているのだとしたら、ドイツのGemütlichkeitもまたオシャレの第一線をいくのでは?!


 と、こんなまとめになりましたが、Gemütlichkeitとオシャレはきっと日本でもどこかで両立しているはず。心地よくない湿気に包まれた7月の日本でも、周りを見渡して少し考えてみてはいかがでしょうか?

Marktbrücke

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