2017年10月26日木曜日

【学生記事】Interuni-Seminar 2017 Sommer

 こんにちは。お久しぶりの投稿になります!
秋学期は、私が夏休み中に参加した学外のドイツ語関連イベントの参加報告を主に投稿していきたいと思います。

 秋学期第一号となる10月は、以前ご紹介した「Interuni-Seminar(インターウニ・ゼミナール)」の今夏の参加報告です。


 今年の夏のインターウニ・ゼミナールは8月4日(金)~8月8日(火)まで、山梨県山中湖で開催されました。参加者の多くは大学院生で日本の学生が約20人、日本に留学しているドイツ人学生が4人、韓国からのゲスト学生が2人とおよそ30人ほどでした。日本各地のドイツ語に関係する日本人教授とドイツ人教授が集まり、およそ40人で5日間を過ごしました。(宿舎の目の前は山中湖と富士山!!!)


 今回のディスカッションテーマは『岐路に立つ「共通の価値--,,Gemeinsame Werte" in Gefahr --でした。日本語で討論するにも難しいテーマだったなと個人的には思いました。

島国で無宗教である日本だからこそ、なかなか考えない、また触れることが少ない問題が多く絡んでいて、いろんな視点から物事を考える必要がありました。

今年、2017年ドイツのThomas de Maizière 内相によって提唱された10項目のDeutsche Leitkulturについて、まず議論しました。この10項目は、イスラム教の女性が着用するブルカの着用を日常的に認めるか否かで、議論が繰り広げられ、そのニュースは日本にもわたりました。

私たちが議論で使用した資料は、すべてドイツ語で書かれていました。日本のニュース番組やニュースサイトでは10項目すべてに触れている記事は少なく、いくつかにフォーカスして報道されていたので、10項目すべてに目を通したのは初めてでした。私が参加したグループでは、項目ごとに簡単に要約したり、Thomas de Maizière 内相の10項目に対して自分たちのプランを作成したりしました。日本ではあまり考える機会がない「宗教」を深く考えるきっかけになりました。ディスカッションはすべてドイツ語で行われ、とてもレベルが高かったです。同じグループで活動していた参加者は大学院生が多く、知識量はもちろん、ドイツ語を使う事、ドイツ語で自分の意見を細かいニュアンスまで伝えられること、また自分なりの視点でディスカッションに臨んでいるということを強く感じました。

10項目のDeutsche Leitkulturほかにも、自分の興味のある分野ごとにグループを作り、「共通の価値」について議論しプレゼンテーションしました。私たちのグループでは「Esskultur」について発表しました。劇を交えて日独の異なる食習慣を紹介し、議論しました。一番興味深かったことは、「いただきます」と「Guten Appetit!」の意味と役割の違いです。日本では「いただきます」という言葉には、食材の命や、その食材が自分の食事として目の前のお皿に並ぶまでに携わってくれた人々への感謝の気持ちが込められています。一方、「Guten Appetit!」は一緒に食事する人とのコミュニケーションの合言葉という事を議論を通して知りました。この違いは食事の挨拶に限らず、他の挨拶のもいえることだなと感じました。このグループでの活動は私自身、教職を取っているからこそ見えた「食育」という視点から、食事のマナーや挨拶などを比較し、考える事が出来てとても勉強になりました。

前回参加した春のインターウニ・ゼミナールとの明らかな違いは「レベル」だったと強く感じました。春はドイツ語学習の初級・中級者向けでしたが、今回の参加者の多くは大学院生でした。自分のドイツ語の運用能力、語彙や表現、そして知識量の圧倒的少なさを痛感した5日間でした。自分のドイツ語学習方法を見直すきっかけになり、次の春のインターウニ・ゼミナールへのいい刺激になったと思います。今回のインターウニ・ゼミナールを通して「異文化理解」というテーマに関心を持ち、そして自分なりの教職という視点を自分の視点にしたいと思えました。とにかく刺激をもらい続けた5日間でした!

Thomas de Maizière内相の10項目(ドイツ語)とインターウニゼミナールのリンクを以下に張り付けてあるので気になる人はぜひ見てみてください!

Zehn Punkte Plan von Thomas de Maizière(出典:Frankfruter Allgemeine
Interuni-Seminar 公式ホームページ

小峯 萌花

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